オスグッド病を防ぐ!小学生サッカー選手のケア習慣とは
- Chok Diiサッカー塾
- 7月20日
- 読了時間: 13分

▶︎1. 小学生サッカー選手に多い「オスグッド病」とは?

1.1 成長期の膝の痛み「オスグッド」ってなに?
「オスグッド」とは、成長期の子どもに多く見られる膝下の痛みです。
正式には「オスグッド・シュラッター病」と呼ばれ、膝のお皿の下にある骨が突出して痛みを感じる状態を指します。
この症状は、特にスポーツを頑張る小学生や中学生に多く見られます。
サッカーのようにダッシュやジャンプ、キック動作を頻繁に繰り返す競技では、膝への負担が大きく、痛みが起こりやすくなるのです。
症状は徐々に現れ、「膝のお皿の下が出っ張ってきて痛む」「練習後にズキズキする」といった声が多く聞かれます。悪化すると、正座や階段の昇り降りもつらくなることがあります。
オスグッドは成長期特有の症状なので、完全に防ぐのは難しいものですが、正しい知識と予防・ケアで悪化を防ぐことは十分可能です。
1.2 小学生サッカー選手に多い理由とは?
なぜオスグッドは、小学生のサッカー選手に多いのでしょうか?
その主な理由は次の3つです。
成長期で骨が柔らかく、負荷に弱い
サッカーの動きが膝に大きな負担をかける
練習量が多く、回復が間に合っていないことが多い
特にサッカーでは、ダッシュやストップ、ジャンプからの着地、ボールを蹴るなど、膝を繰り返し使う動作が中心になります。このとき、大腿四頭筋という太ももの前側の筋肉が膝下の骨を強く引っ張るため、成長中の骨にダメージが蓄積されていくのです。
こんな場面を思い浮かべてみてください。
「週に5日以上の練習、土日は1日中試合、帰宅後はストレッチもせずに寝てしまう」
こうした日常が続けば、オスグッドを発症するリスクは一気に高まります。
また、本人が痛みを感じていても「まだ大丈夫」と我慢してしまうケースも多く、発見が遅れる原因にもなります。
子どもが夢中になっている時期こそ、大人が気づいてケアの習慣をサポートすることがとても大事です。
▶︎2. 小学生サッカー選手がオスグッドを引き起こす3つの原因

2.1 大腿四頭筋の酷使による膝への負担
サッカーの動きには、走る・止まる・蹴るといった膝を使う動作がたくさんあります。そのときに最も使われるのが、太ももの前側にある「大腿四頭筋」です。
この筋肉が硬くなると、膝下の骨を強く引っ張るようになり、オスグッドの痛みを引き起こす原因となります。特に成長期の骨はまだ柔らかく、繰り返される負荷に弱いため注意が必要です。
よくある失敗としては、次のような例が挙げられます。
練習後にストレッチをせずに帰宅してしまう
疲れているのに無理にトレーニングを続ける
痛みを感じても休まずにプレーし続ける
これらはすべて、大腿四頭筋の緊張を高め、結果的に膝への負担を増やしてしまいます。
「筋肉の使いすぎ」は、オスグッドの最も大きな原因のひとつです。
そのため、日頃から練習後のストレッチやマッサージ、軽いアイシングなどを習慣にすることがとても大事です。
2.2 柔軟性不足とストレッチ不足
小学生は成長が早く、身長が急に伸びる時期と筋肉の発達が一致しないことがあります。このとき、筋肉が骨の伸びについていけず、柔軟性が不足しがちになります。
とくにサッカーのように頻繁に走る競技では、筋肉の柔軟性が低いまま激しい動きをすることで、膝への負担がさらに大きくなってしまいます。
よくある失敗は以下の通りです。
ストレッチを「時間がないから」と省略する
身体が硬いのに、無理に開脚やジャンプを繰り返す
ウォーミングアップをせず、急に全力で動く
これらはオスグッドの発症リスクを高めるだけでなく、ほかの筋肉や関節にも負担をかけてしまうため、注意が必要です。
ストレッチは「ただやる」だけではなく、呼吸を止めずにゆっくり行うことがコツです。短時間でも良いので、毎日の習慣にすることで、膝の痛みが出にくくなります。
ストレッチ不足は、サッカーを頑張る小学生の大敵です。
2.3 間違った姿勢・動き・シューズの使い方
オスグッドは膝への負担だけでなく、体全体の使い方にも大きく関係しています。
たとえば以下のような点が原因となります。
猫背や骨盤が後ろに倒れている姿勢で走っている
足の指を使えておらず、かかとにばかり体重がかかっている
サイズが合っていないサッカーシューズを使っている
こうしたフォームの乱れは、膝にかかる負荷のバランスを崩し、局所的な痛みや炎症を招く原因になります。
また、姿勢のクセは日常生活にも関係しています。ゲームのしすぎやソファでのだらけた姿勢が、身体の歪みに影響しているケースも少なくありません。
シューズに関しては、足の形に合わないものを履いていると、走るたびに足がズレて正しい力の伝達ができず、無駄な負荷が発生してしまいます。
フォームや道具の見直しは、オスグッド予防の第一歩です。
成長期の子どもにこそ、正しい体の使い方を身につけさせることが将来の大きなケガ予防につながります。
▶︎3. 小学生のオスグッド予防とサッカー後のケア方法

3.1 練習前後に取り入れたいストレッチ習慣
オスグッド予防で欠かせないのがストレッチの習慣化です。
特にサッカーの練習や試合の前後にストレッチを行うことで、膝や筋肉への負担を軽減し、ケガのリスクを下げられます。
ストレッチを行う際に意識したい部位は次の3つです。
大腿四頭筋(太もも前)
ハムストリングス(太もも裏)
ふくらはぎ(腓腹筋)
これらを丁寧に伸ばすことで、膝にかかる負荷を分散させられます。
よくある失敗は次の通りです。
ストレッチ時間が短く、形だけで終わってしまう
痛みを感じるまで無理に伸ばしてしまう
呼吸を止めてしまい、筋肉が緊張して効果が出ない
おすすめのストレッチ時間は1箇所につき20〜30秒を2セットずつ。
反動をつけず、ゆっくり呼吸しながら伸ばすのがポイントです。
ストレッチは“ケガをしない体づくり”の基本です。
毎日のルーティンとして取り入れると、自然とケア意識も高まっていきます。
3.2 休息とアイシングのバランスがカギ
練習後のケアで意外と見落とされがちなのが、「アイシングのタイミングと頻度」です。オスグッドの初期では、膝下に熱感や違和感が出ることがあります。
そのまま放置すると、炎症が強くなり痛みが慢性化してしまいます。
そんなときに有効なのが練習後のアイシング(冷却)です。冷却によって炎症を抑え、回復を早めることができます。
アイシングの基本は以下の通り。
練習直後に10〜15分を目安に膝下を冷やす
保冷剤や氷のうをタオルで包んで使用する
1日2回までにとどめ、冷やしすぎに注意する
よくある間違いは、冷やす時間が長すぎること。
20分以上冷やすと逆に血行が悪くなり、回復を妨げることもあります。
また、休息も非常に重要です。毎日激しい練習が続くと、筋肉の修復が追いつかず、疲労が蓄積されてオスグッドのリスクが高まります。
休むことも、強くなるためのトレーニングの一部です。
「今日は足がだるいな」と思った日は、思いきって休む勇気も大切です。
3.3 家でできる!簡単セルフケア3選
家庭でできるセルフケアを取り入れることで、練習の合間にできる“ちょっとしたメンテナンス”が実現できます。
特別な道具がなくても、次のようなケアが効果的です。
フォームローラーで太ももをほぐす
→前側・後側・横を各30秒ずつ。筋膜をほぐして柔軟性アップ。
バスタオルを使ったストレッチ
→膝を伸ばして仰向けに寝て、バスタオルで足先を引っ張る。太もも裏にしっかり効く。
簡単マッサージ
→手のひら全体を使って膝周りをやさしくほぐす。入浴後がおすすめ。
これらを日々の習慣として取り入れることで、膝の痛みが出にくい体づくりができます。
家庭でのセルフケアは、続けることで大きな差がつきます。
親子で一緒に取り組むことで、ケガへの意識も高まり、子どものモチベーションにもつながります。
▶︎4. サッカーを頑張る小学生に必要な日常のケアと予防習慣
4.1 食事で体をつくる!成長期に必要な栄養とは?
オスグッドの予防やケガに負けない体づくりには、毎日の食事が欠かせません。
特に成長期の小学生は、運動による消耗と成長による栄養需要が重なるため、バランスの取れた食事がとても大切です。
必要な栄養素は以下のようになります。
たんぱく質(筋肉や骨の材料)…肉・魚・卵・豆製品
カルシウム・ビタミンD(骨の強化)…牛乳・チーズ・きのこ類
鉄分(疲労回復・貧血予防)…レバー・ひじき・赤身の肉
ビタミンB群(エネルギー代謝)…豚肉・納豆・バナナ
これらをしっかり摂ることで、練習でダメージを受けた体の回復を早め、骨の強化にもつながります。
よくある失敗は次のようなものです。
お菓子や菓子パンだけで食事を済ませてしまう
タンパク質が不足している食事が続く
朝食を抜いてしまい、エネルギー不足で練習に出かける
忙しい日々の中でも、「主食・主菜・副菜・汁物・果物」を意識することで、自然と栄養バランスが整います。
“食べること”も立派なトレーニングです。
子どもが楽しく食事できるよう、家族で取り組んでいきましょう。
4.2 質の高い睡眠がコンディションを守る
運動後の体の回復にもっとも重要なのが、「睡眠」です。寝ている間に、筋肉や骨は修復され、次の日のパフォーマンスを支える力が蓄えられます。
成長ホルモンが多く分泌されるのは、夜10時〜深夜2時の間。この時間に深く眠れているかが、コンディションを左右するカギになります。
睡眠の質を高めるには次のような工夫が効果的です。
寝る90分前にお風呂に入り、体温をゆっくり下げる
寝室を暗く・静かにして、眠りやすい環境を整える
スマホやテレビを寝る30分前には切る
ありがちな失敗例として、
寝る直前までゲームや動画を見ている
ベッドに入る時間が毎日バラバラ
夜遅くに食事をとることで寝つきが悪くなる
といったことがあります。これらが積み重なると、疲れが取れずにケガのリスクも高まります。
良質な睡眠は、体を整える“最強のケア”です。
毎日決まったリズムを大切にして、しっかり眠れる環境づくりを意識していきましょう。
4.3 練習のしすぎに注意!休む勇気も大事
サッカーに夢中な小学生ほど、「もっと上手くなりたい!」という思いから、毎日ハードに練習を続けがちです。
しかし、“やりすぎ”は逆にパフォーマンスを下げる原因にもなります。
特に成長期は、筋肉や骨が発達段階にあるため、オーバートレーニングによって痛みや炎症を引き起こすリスクが高いのです。
注意したいサインは以下の通りです。
いつもより動きが鈍い、疲れやすい
夜ぐっすり眠れない、朝起きられない
ちょっとした接触で痛みを感じる
これらが続いている場合は、練習量や強度を一度見直すタイミングです。
失敗例として、「休む=さぼる」と考えて無理をすることが多く見られます。
しかし本来は、回復もトレーニングの一部。週1日は完全に体を休める「オフの日」を作ることが望ましいです。
休む勇気が、未来のケガを防ぐ最大の武器です。
毎日を全力で過ごすためにも、リズムのある生活と回復を意識してみてください。
▶︎5. 小学生サッカー選手のケアを支える保護者と指導者の役割
5.1 子どもの変化に気づける観察力が重要
小学生のサッカー選手は、「少しの痛みくらいなら我慢する」ことが多いです。
だからこそ、保護者や指導者の“観察力”がとても重要になります。
オスグッドのような成長期のケガは、早期発見・早期対処が鍵です。
下記のようなサインを見逃さないようにしましょう。
いつもより動きが鈍い、走るスピードが遅くなった
練習中に膝を気にするしぐさが増えた
家で「足が痛い」「膝が重い」と口にするようになった
特に練習後や帰宅後の様子をよく観察すると、小さな違和感に気づくきっかけになります。
また、子どもが痛みを口にしたときに、「大したことないよ」と流してしまうのは危険です。 本人の感じている痛みをまず受け止めてあげることが大切です。
“ちょっとした変化”に気づけるかどうかが、子どもの将来を守る第一歩です。
5.2 声かけ・接し方がケガ予防にもつながる
「痛いと言いにくい」「迷惑をかけたくない」――子どもたちがこう思ってしまうのは、周囲の声かけや接し方が影響していることもあります。
ケガ予防のためには、心のケアやコミュニケーションも大事です。
たとえばこんな声かけが効果的です。
「今日は体どうだった?」
「膝の調子、最近どう?」
「無理せず休んでもいいんだよ」
こうした声かけを日常的に行うことで、子どもは不安なく体調を伝えられるようになります。
一方で避けたいのは次のような対応です。
「それくらい我慢しなさい」
「そんなの気持ちの問題だよ」
「痛いって言うと試合に出られないぞ」
これらは、子どもが本当の状態を隠す原因になり、結果的にケガを悪化させるリスクを高めます。
安心して「痛い」と言える環境づくりが、最大の予防策になります。
5.3 一緒に学ぶことでチーム全体の力がアップする
サッカーは個人競技ではありません。
選手・保護者・指導者が連携することで、チームとしての力が高まります。
保護者が体の仕組みやケアの重要性を知ることで、家庭でのサポートの質が格段に向上します。 指導者がケガの予防知識を持つことで、より安全な練習環境の提供が可能になります。
たとえば、以下のような取り組みが効果的です。
チームで「成長期のケガについて」ミニ講座を開く
保護者向けにセルフケア資料を配布する
練習前後に全員でストレッチの時間を設ける
こうした工夫を積み重ねることで、子どもたち自身もケア意識を持ち、チーム全体の健康レベルが上がっていきます。
みんなで学び合う環境が、強くて優しいチームをつくります。
▶︎6. まとめ|夢を追う小学生サッカー選手をケガから守るために
サッカーに打ち込む小学生にとって、ケガは避けたいものの一つ。
特に「オスグッド」は成長期特有の症状であり、正しい知識と日常のケアがなにより大切です。
この記事では、オスグッドの原因や予防方法、家庭や指導現場でできるケアの工夫まで、幅広く紹介してきました。
子どもたちが夢に向かって、毎日全力でボールを追いかけられる環境を整えること。
それが、保護者や指導者にできる一番のサポートです。
予防のためには、以下のような習慣がポイントになります。
練習前後のストレッチを欠かさない
日々の食事と睡眠をしっかり整える
痛みを無理せず、休む勇気を持たせる
親子でケアに取り組むことで、コミュニケーションも深まる
また、周囲の大人が子どもの変化に敏感であることも大切です。
少しの違和感や疲れに早く気づき、適切に対応することが、大きなケガの予防につながります。
オスグッドは決して怖いものではありません。
正しく向き合い、きちんとケアすれば、子どもたちはまた笑顔でピッチに戻ってこられます。
これからも、未来のサッカー選手たちが健やかに成長し、大きな夢に向かって歩み続けられるように―― 今日からできるケアを、ひとつずつ積み重ねていきましょう。
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